以前「家庭菜園を楽しんでいる方へご注意」という記事を書いたことがあります。もう13年も前になります。我ながらなかなかいいことを書いてはいますが、やや文章が粗く、上から目線でもありました…。なので、経験を積み重ねてきた現在なら、どんなものが書けるかと思い立ちました。

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さて、家庭菜園にも色々ありまして、プロ農家の方が自分の栽培品目以外の農作物を作っている場合からご家庭の庭先でプランター栽培をしている場合までその規模も技術レベルも様々です。

その中で、プロ農家の方がされている家庭菜園は、ほとんどの場合自分の専門ではないとはいえ「わかって」やっていらっしゃるので自分の農作物への悪影響や、周囲の農家への迷惑も考えて作っておられます。そのことについては、前の記事でも書きました。

さて、ここで家庭菜園を楽しんでいらっしゃる方に気を付けていただきたいのが上の文章にも書いた「周囲の農家への迷惑も考えて」という部分です。
家庭菜園は、自分で作ったものを自分で食べるという楽しみのためにやるものですね。採れたてを食べられるし、自分で作ったものならなおさら美味しいと思います。しかし、生活はかかっていません。たとえ失敗しても、その気持ちの強さはいろいろあっても「残念だな」で済みます。
しかし、プロの農家はそうはいきません。病害虫の被害を受ければ、それだけ減収になりますし、生活が立ちいかなくなる可能性だってあります。そうしたプロの栽培に、家庭菜園が影響を与えている可能性がある、と言ったらどう思いますか?

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家庭菜園で病害虫が発生して、ほとんど収穫ができなかったとしましょう。そこでそれ以降は農作物を放置しておくとどうなるでしょう。そこで増えた病気や虫は、その家庭菜園の作物が使い物にならなくなった後、もし近くにプロ農家の田畑があればそちらに移動していきます。枯れてしまう前であっても、増えすぎて生存競争が激しくなってきたら、虫はそこから飛び出していきますね。病気は、カビによるものが多いですが、その場合、カビ菌の密度が上がれば胞子の量も増え、それが風などで飛ばされて他の田畑で病気を発生させる可能性が高くなります。
では、素人の家庭菜園ではどうしたらいいのでしょうか?プロ並みに農薬を使ってきれいにしておく必要があるのでしょうか。いえ、そんなことはありません。そこまでコストや労力をかけてしまうと、趣味の域を超えてしまいます。でも、できる範囲で周囲に迷惑をかけないようにしてほしいとは思っています。もちろん、プロ並みにやりたい、という方がいらっしゃったらそれはそれで大歓迎ですが(笑)
というわけで、私の考えが及ぶ範囲で、素人の方にでもできるコストや労力が最小限の対策をいくつか挙げてみましょう。
・近くにプロ農家の畑がある場合は、なるべく同じ品目や近い品目は作付けを控える。
→農作物の病害虫は、作物ごとに来やすい種類が違うため、同じまたは近い品目だと(特に虫では)お互いに移し合ってしまうことが多い。分類を見て、「科」が違うものにしておくとだいたい安心です。例として、実のなる野菜でもナス科はナス、トマト、ピーマン、トウガラシなどで、ウリ科にはキュウリ、カボチャ、トウガン、メロンなどがあります。他にはバラ科のイチゴ、アオイ科のオクラなどもありますね。それぞれ、近い種類のものは出来ればで良いので、避けましょう。
・被害を受けた農作物は早めにあきらめ、そのまま畑に放置せず、ビニール袋などに入れてゴミとして処分するか、焼却するか、深く穴を掘って埋める。
→現実には、場所が足りずに焼いたり埋めたりは難しいと思うので、せめて虫や胞子が飛ばないようビニール袋に入れて口を縛ってごみとして処分してください。
・雑草にも病気や虫はつくので、なるべく生やさない。
→雑草の中にも農作物と同じ「科」の植物があり、そこで増えた病害虫が自分のところや他人の畑に被害を及ぼすことがあります。一本も生やさないことは難しいですが、出費を伴いますが、畝にビニールマルチを掛ける、畝の間に防草シートを張るなどの工夫ができるといいですね。
・病気かな?何かいい対策はないの?と思ったときはJA(農協)の購買部(肥料や農薬を売っている所)や各都道府県が運営している農業改良普及センターに相談してみましょう。
→現地まで来て見てもらうというのは家庭菜園では難しいですが、相談には乗ってくれます。栽培方法も教えてもらえます。農業改良普及センターは都道府県によっては、農林事務所普及課など呼び方が違う場合があるので気を付けてください。各都道府県とも、現地指導を行う部署は必ず出先として存在します。あと、農業試験場なんかも良いかもですが、皆さん試験研究用の田畑にいることが多く、電話してもあまり出てくれないですね(笑)
以上、できるだけ厳しくない対策を挙げたつもりですが、それでも人によっては「素人に求めすぎ!」と思われるかもしれません。でも、プロ農家に迷惑をかけてしまうと、ますます野菜高騰がひどくなるかもしれませんので、できる範囲でいいので、気を付けてくださいね。