アグリサイエンティストが行く

農業について思ったことを書いていきます。少しでも農業振興のお役に立てれば。

農機を買うこと

今日、農協職員の方と話していて気が付いたことがある。農家の中には、一定の割合で農業にワクワク感を感じている人がいて(ここまではこの仕事に関わった当初からそう思っていた)、さらにその一定の割合にそのワクワク感が農業機械に向いている人がいるということだ。

その農協職員の方曰く、
「いや?、若い頃は車庫に収まる車やバイクを見て悦に入っていたんですが、近頃は農業機械にお金がかかって、車庫はトラクターや管理機なんかでいっぱいなんですわ。困ったもんです」
とのこと。しかし、口では困った困ったと言いながら、顔はぜんぜん困っていない。むしろ他の話をしているときに比べて思いっきり輝いているのだ。
「今度、組合員さんに新しい管理機とセットでアタッチメントの表層攪拌機をお勧めするんですが、自分も買いますよ!お勧めする以上、自分も持ってないと!」
どう見ても、自分が真っ先に試したい、その機械を車庫のコレクションに加えて眺めたい、そして使い勝手などを語り合いたい、と顔にはっきり書いてある。
「これで皆さんの作業が便利になって、ブロッコリーの面積が増えたら農協職員としてうれしいです!」
いや、この人の性格からしてきっと心からそう思っているとは思う。しかし、である。あんた自分が欲しいというのが一番やろ(笑)。自分では気づいてへんかもしれへんけど。

この仕事をし始めてから、やたら農機を買い換えたり、新製品を試したりする人が一定いることには気づいていた。もしかしたら、とも思っていた。しかし、これではっきり確信が持てた。

私がバイクや車を欲しがり、これから買おうかと色々物色しているときもすごく楽しく、また実際ツーリングに出かけるのも楽しく、ブログを書いて、他人とその情報を共有したりしてその喜びはさらに増していく。磨いてきれいになった車体を見て満足する。そういったものと、農業機械を趣味のように扱う人の気持ちはまったく同じなのだ。新しい機械が発売され、それによって自分のライフスタイルが変わる夢を見させてくれる。そして、購入を決意するまでそういったライフスタイルの変わった様をシミュレートしたりしてさらにワクワクするのだ。

そして、入手したら今度は仲間と機械談義。
「今度の管理機はえらい土が上がるやないか?」
「ホンマやのう。ワシも今度これにするかのお?」
おわかりのように、内容が農作業になっただけでバイクやクルマ談義と同じである。私も農家であれば、そういうタイプになっていたに違いない。

結局、何が言いたいのかというと、オッサンって結局そういう生き物よね!
↑根拠なしの決めつけ。てか、女性にだってそういう人いますよね?(文体が変わってるぞ)