先日、ツイッターで「炭素循環農法ってなに?」という会話がされていた。普通に循環型農業をやっていると結果として炭素を循環させることになるのだが、わざわざそういった「農法」を名乗る以上、何か特別なことがあるのかと思って調べてみたら、基本的には炭素を循環させることでその他の肥料を施用しなくても栽培できる、という技術らしい。
もちろん農業というのは物質的な収奪を行なっている以上、無肥料(成分)というのはありえない。肥料を施用しない代わり、何かが田畑に入っているはずではある。そのあたり、ツッコミどころはあるのだが、どうも炭素循環農法にもいくつか流派があり、さらに個別に色々な工夫があるので、それぞれを個別にどうこう言うのは非常に難しい。そこで、とりあえず今回は「炭素を循環させることの意味」についてのみ解説したいと思う。
しかし、植物は「光合成」という手段を使って、光エネルギーを利用して大気中の炭素を取り込むことが出来る。ではなぜわざわざ栽培者の手で循環させねばならないのだろうか。答えの1つは、以前も説明したことがある土作りである。
その腐植酸であるが、元素の組成としては半分以上が炭素であり、あとは多い順に酸素、水素、窒素などを含む。これが先ほども述べたように、土作りに大きく関与するが、その構成元素として炭素が最大であるので、主に植物体を土壌に還元して炭素を供給、土壌の炭素率を向上する事は大きな意味を持つ。